CANADA'S WINDVIEW

趣味の写真を投稿していきます。昆虫好きな長男と一緒に昆虫を追いかけています。最初の年はセミやカマキリ、次の年はカブトムシ、トンボ、そして今年は…

基礎からの漢方60分 3

20110720水 雨後晴れ 28℃⇔25℃ 南南東6m/s


太陽病

風邪の引き始めなど。体表部に病邪が入りかけている。

人の体に対して常に邪というのが攻撃をしかけてきている。

風に乗ってくる邪が、風邪の語源。

寒邪・風邪に表位に侵襲を受けると悪寒・発熱して邪を追い出そうとする。

肺から出そうとした水が、鼻のところで冷えて結露したのが鼻水になると考えられている。
鼻と言う表の部分が冷えているために邪に侵されている。

体表部で邪正闘争している。

辛温解表薬


麻黄(マオウ)発汗解表、宣肺平喘、利水消腫
桂皮(ケイヒ)発汗解表、温陽化気、散寒止痛
生姜(ショウキョウ)発汗解表、温中止嘔、温肺止咳


辛温解表と言うのは辛いもので体を温める。

麻黄 --- 体表部の冷えとそれによる湿を温めることで解消する。手足と鼻は区別しない。

桂皮は本当に辛い。どちらかというと体の奥から温める。

四字熟語で薬能が与えられている。
漢字だと日本人は意味が分かる。漢字の意味だけでその生薬の方向性は見えてくる。

中 --- お腹の中。

「桂枝」と「桂皮」


本来の中医学では、桂枝と桂皮は使い分ける。

桂枝辛温解表薬発汗解表、通陽化気
桂皮温裏祛寒薬温中補陽、散寒止痛

桂皮は、体の奥から温める。日本漢方では桂皮しか使っていない。


「生姜」と「乾姜」


生姜ショウガを乾燥させたもの辛温解表薬発汗解表、温中止嘔、温肺止咳
乾姜ショウガを蒸してから乾燥させたもの温裏祛寒薬温中散寒、回陽救逆、温肺化飲

乾姜は体の奥から温める。

辛温解表剤

桂枝湯桂皮、芍薬、甘草、大棗、生姜
葛根湯麻黄、葛根、桂皮、甘草、杏仁、芍薬、大棗、生姜
麻黄湯麻黄、桂皮、杏仁、甘草
基本的な作用は同じ:表にいる邪を発汗により除く


桂枝湯、麻黄湯、葛根湯の構成生薬

処方の構成生薬に薬能を当てはめてみましょう
麻黄辛温解表(強)、平喘
桂皮辛温解表、温陽
生姜辛温解表(弱)、化痰
葛根辛温解表、生津、収斂、活血
芍薬収斂、補血
大棗健脾、薬性調和
甘草健脾、薬性調和
杏仁止咳平喘




衛 --- 守るという意味。

衛気が充分表を流れていると体が守れる。

桂枝湯 < 葛根湯 < 麻黄湯 で風邪の程度が強い。

桂皮は単に温めるが、麻黄は温めて腠理を開かせ汗をかかせる。
麻黄は即効性がある。動物実験でも証明されている。

体温は脳でコントロールしている。

セットポイント仮説。

体温が上がるとマクロファージの貪食能を上げる。
本来は体温を上げて風邪を治す。解熱剤を使ってしまうのはそれに反する。

麻黄は心臓に対して負担をかけるので、適応には注意。

青竜湯を使うのは体の奥から温めるため。
体の奥まで冷えて、病邪が追い出せず、水が結露して鼻水が出る。