気滞 … 気が滞っている → 気が滞れば血・水の巡りも停滞する。
「理」気剤とは「気の巡りを良くする薬」、漢方のアロマテラピー薬
裏寒・気虚の甚だしい時は使用禁忌
気剤の主薬は理気薬、行気薬
「芳香性があり、麻黄などのように強く発汗させない、胃に優しい薬。虚弱化した今日の日本人に適応が多い。」香附子 | ハマスゲの根茎 | 気病の総司、女科の主師。感情の抑鬱、ヒステリックな状態、精神的な緊張をなどの精神的な素因と関連ある月経痛、月経不順、頭痛、胃腸障害、不眠、のぼせをとる。香蘇散、女神散、芎帰調血飲、香砂六君子湯などに配されている |
厚朴 | ホオノキの乾皮 | 胃を温めながら気を下し、水を下す。気分を落ち着かせる。半夏厚朴湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、平胃散、当帰湯、九味檳榔湯、五積散、通導散など |
陳皮 | みかんの皮、古いものほどよい | 気を下し、水を下ろし、健胃、止嘔、去痰作用がある、気分を落ち着かせる。六君子湯、香蘇散などに配されている。 |
枳実 | みかんの未熟果実を乾燥したもの | 陳皮よりも行気消積(こうきしょうせき)の効果が高い。胃腸食滞に使用。茯苓飲、茯苓飲合半夏厚朴湯などに配されている。 |
その他、木香、烏薬(うやく)、「紫蘇葉」。陳皮に近い生薬に橙皮(とうひ)、青皮(せいひ)、枳穀(きこく)がある。 |
香附子の入った薬は女性の薬と言われるくらい。
枳実はまだ青いみかんの皮。
香附子3.5、紫蘇葉1.5、陳皮3、甘草1、生姜1
原典は和剤局方「傷寒門」、「四時の瘟疫傷寒を治す」
原典は和剤局方「傷寒門」、「四時の瘟疫傷寒を治す」
生理が来ない人に使ってうまく行くことがある。瘀血と思って桂枝茯苓丸を出して効かない時に香蘇散で効くことがある。
軽い瘀血は気の滞りなので、気を巡らすことで解消(駆瘀血)できる。
通常の駆瘀血剤>帰耆建中湯>香蘇散とも捉えることができる。
軽い瘀血は気の滞りなので、気を巡らすことで解消(駆瘀血)できる。
通常の駆瘀血剤>帰耆建中湯>香蘇散とも捉えることができる。
1. 感冒 | 軽い感冒で桂枝湯類や葛根湯が胸にもたれるというもの、春先の風邪でそれ程発汗の必要ないものによい。 |
2. 神経衰弱、ヒステリー等 | 気鬱傾向のあるものが、気分が重く、胸や心下部に痞えるというもの。 |
3. 魚中毒 | 魚を食べて蕁麻疹が出たときなど。 |
4. 腹痛 | 神経性の腹痛で、柴胡剤、建中湯類が奏功しないもの。 |
5. 血の道症 | 心下の痞え、肩こり、頭痛、気鬱のもの。 |
6. 経閉 | 気の鬱滞による月経閉止。 |
7. 下血 | 気鬱によるもので血の薬が効かぬもの |
8. 薬煩 | 薬が胸にもたれて気持ちが悪くなるもの。 |
9. 神経病 | 狂乱を起こしそうなときに用いてよく予防になる。 |
10. アレルギー性鼻炎、蓄膿症、嗅覚脱失、鼻閉塞など |
「私はむかつき、胃の痞え、頭痛、関節痛、食欲不振、下痢の近年に多い胃腸風邪によく用いています。また、勿論、頭痛薬としても使用します」 |
征韓の役で加藤清正が篭城した時、将兵の中に気鬱の病にかかるものが多かった。その時の陣中の医師が香蘇散をしきりに用いたと伝えられている。ノイローゼに対する安定剤である。
気の鬱滞から食の鬱滞を兼ねた感冒、胃の具合が悪く、桂枝湯や葛根湯が胸につかえる風邪、その他気鬱、食鬱による諸症に用いられる。脉は多くは沈で、心下つかえ、肩こり、頭痛、眩暈、耳鳴り、吐き気などあって気ふさぐものを目標とする。