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パンデミックワクチンの安全性 (WHO)

パンデミック(H1N1)2009 要点説明 6


2009年8月6日 ジュネーブ

WHOは、いくつかのメディアがパンデミックインフルエンザ用ワクチンの安全性に関して懸念しているという報告を認識している。
パンデミックワクチン規制認可を迅速に行う手続きも含め、認可における調整手続きが厳格で安全性や品質管理に妥協することがないようにし、国民を安心させる必要がある。

ワクチンは、パンデミックにおいて病気や死亡を減らすための最も重要な医学的介入の一つである。
しかしながら、最も大きな影響を与えるために、パンデミックワクチンは早急かつ大量に入手できる必要がある。

1957年と1968年のパンデミックにおいて、ワクチンは普及が遅すぎて効果的に収束させる手段として使用することができなかった。
インフルエンザワクチンは1918年のパンデミックの時にはまだ開発されておらず、最終的に5000万人の死者を出したと推定されている。

2007年に、WHOは、インフルエンザの世界的流行への備えの一環として、パンデミックワクチンの規制承認を取り巻く広範囲の問題点を調査するのに、保健当局・規制当局・ワクチン製造者と連携を行った。

パンデミックウイルスの出現から安全で効果的なワクチンの利用が可能になるまでの時間の短縮の方法が模索された。
異なった制御経路が評価され、品質・安全性・効果を確保するのに必要な予防策が詳細に打ち出された。


承認のための迅速な手順


規制当局は、パンデミックワクチンの迅速な承認と認可を行うための開発手順において高い柔軟性を示し
た。

いくつかのケースでは、パンデミックワクチンは、季節性インフルエンザワクチンで使われているテスト・調整管理における確立された手順、大規模な使用での安全性データと言った技術で成り立っているとして、規制当局からは完全な「新」ワクチンとは見なされていない。

このようなケースでは、承認手順は、季節性ワクチンが南北半球で流行しているウイルスにマッチするよう修正される毎年の「株の変更」と同様である。
例えば、米国では、製造メーカーが既にインフルエンザワクチンの認可を受けていてパンデミックワクチンでも同じ製造過程を使用する予定の場合、少しのデータしか要求されない。

ヨーロッパ連合(EU)では、欧州医薬品庁は、一つの正式な申請書に全てのデータが揃うまで待つことなく製造メーカーが利用可能な規定のレビューを加えることによるローリングレビュー手順を用いる。

またヨーロッパでは、いくつかの製造メーカーがいわゆる「モックアップ」ワクチンを使用して進歩研究を行った。
モックアップワクチンは、現在人々の間で流行していないインフルエンザウイルスの有効成分を含んでおり、従ってパンデミックウイルスの新規性を模倣している。
このような進歩研究により規制承認が大いに促進する。


安全に対しての特別な関心


インフルエンザワクチンは、60年以上の使用実績があり、全ての年齢層における安全性が確立されている。
いくつかの重篤な有害事象が報告されているが、これらは極めて稀である。

とは言え、ワクチンを大規模に使用した場合、世界的流行期に特別な安全性の問題は浮上してくるだろう。
例えば、大規模臨床試験の時ですら非常に稀であった有害事象でも、非常に大多数の人々がパンデミックワクチンを受けるようになると、明白になってくるかも知れない。

いくつかの有害事象は偶発的に起こるだろう。
すなわち時間内にワクチン接種に関連してだが、かと言ってワクチンにより直接的に惹き起こされるわけではない。
ワクチンによって直接的に惹き起こされる正真正銘の有害事象も起こるかもしれないが、前もって予測することはできない。
季節性ワクチンの安全性の実績から、このような事象は稀だと予想される。

時間的制約が意味するものは、パンデミックワクチンが最初に施行された時の臨床データが必然的に限られたものになるであろうということである。
ワクチンが開始された後に、安全性と有効性の更なるテストを行う必要があるだろう。

これらの理由から、WHOは、パンデミックワクチンを施行する全ての国々が安全性と有効性の徹底的なモニタリングを実施を助言し、そして多くの国々がそのような計画を立てている。
明るい面を見ると、集団予防接種キャンペーンを行うことにより、数週間以内に重要な安全性データを出すことができる。

このような市販後調査の国際的な共有は、リスク便益評価を導いたり、ワクチン政策を変更するかどうかの必要性を決定するのに重要になってくるだろう。
WHOは、データ収集を行いリアルタイム報告するための標準的プロトコルを開発して、ウェブサイトを通じて調査結果を国際社会に伝えるだろう。