虚証
・まだ邪に襲われていないが、正気が弱く、病気になりやすい状態。
・邪に襲われているが、正気が弱いためなかなか決着が付かず、慢性化している状態。
・邪に対して正気が弱く、症状が重くなっている状態。
邪 | 西洋医学的にウイルス、細菌などを含む |
正気 | 病気と闘う力、体を正常に維持する力 |
実証
・十分な正気と、勢いの強い邪が、激しく戦っている状態。急性で激しい症状が出る。
決して体力があって体格ががっちりしている状態ではない。
虚実
「虚実」は本来は正気(身体の抵抗力)と病邪の状況を表す用語であり、
「邪が盛んな状態」を「実」、
「正気が奪われた状態」を「虚」としている。すなわち、「虚」とは身体の基本構成要素である「気・血・津液」などの不足のことであり、それによって引き起こされる全身および局所的な症状を「虚証」と呼び、「実証」とは外邪の侵襲によって発症する症状のことである。
ところが日本漢方では、「気・血・津液」などの不足により体質的に虚弱になった状態である「虚証」に対して、体質強壮な状態を「実証」と解釈し、
患者の体力の面で「虚実」を分けるという概念が定着してしまっている。