CANADA'S WINDVIEW

趣味の写真を投稿していきます。昆虫好きな長男と一緒に昆虫を追いかけています。最初の年はセミやカマキリ、次の年はカブトムシ、トンボ、そして今年は…

第97回 蘇葉会 2

20110913火 晴れ 32⇔24 南3


目には見えないけど力を持っているものに「気」という字を当ててきた。
元気、空気、電気など。

物質面で支える。
血液・ホルモン・身体の材料。
身体が常に新品でいられるのは血によって材料が供給されているから。

潤し冷やすもの。


気血水が一つでも欠けると他も連動して不調になる。
気血水は食物から水穀の気、後天の精として取り込まれなければ生成されない。

気は精神活動を含めた機能的活動を統括するもの。健全な精神活動・日常活動・生理活動が営まれるためには、気が必要な量・必要な場所に分布していなければならない。

胃腸は気で動いているので、気が不足すると食物を消化できなくなる。それに伴って血・水も不足し、組織の修復再生ができなくなる。

病気が慢性化すると血虚になる。つまり補血剤は慢性疾患に使用する。

気は体の生理機能を働かせるため、気が無くなると体を温めることができなくなってくる。つまり冷えは気虚から来ているかも知れない。

気虚(気の不足)

・元気がない
・疲れやすい
・倦怠感
・気力低下
・日中の眠気
・食欲不振
・下痢傾向
・易感染性
・神経過敏
・冷え
・羸痩
・息切れ


問診と切診で結果が異なったら問診を優先する。

気はforce、function。

補気

人参・甘草・蒼朮・茯苓

薬の効果は経験的な発見による。だからこれらが効くということを前提にして逆に論理的に説明しようとしているのが中医学などの理論。

四君子湯が最初に記載されたのは12世紀の和剤局方。当時は大棗・生姜が入ってなかった。
六君子湯が最初に記載されたのは16世紀の万病回春。

補気剤の原型は人参湯(人参・甘草・蒼朮・乾姜)。

昔はIVHも胃瘻もなかったから、食べられるようにするということは非常に重要なことだった。食べられなくなることはすぐに死に直結した。

四君子湯に陳皮・半夏を入れたら良かったというのが分かるのに400年かかった。

半夏は食道に水がこびり付いたの(痰飲)を取り去り、気も補う。

陳皮は理気剤。

半夏も陳皮も気を補い、胃腸を上から下へ動かす。

漢方医学では、薬理ではなく、薬能で語る。つまり患者さんが飲んだらどうなるかということ。

中医学はlogicalだが非常に難しく考える。
胃の周りに痰飲が取り囲んで四君子湯が入り込めないのに対し、半夏で取り去るのが六君子湯だと考える。

六君子湯は万病回春で、後世派(ごせいは)の処方。

古方派は傷寒論をベースにしているので絶対六君子湯を使わせない。あまりにもよく効いてしまうので、証を取らなくなるから。

補中益気湯

補中益気湯は黄耆がポイント。

自汗(虚弱な方が暑くもないのに汗をかく)
自汗と一緒に気が漏れる。皮膚(表)を強くして自汗を止め、気を保持して元気にする(固表止汗)。
清い気を上に持ち上げる(補気昇陽)。
利水し浮腫を改善する(利水消腫)。
排膿促進(托毒排膿)。

柴胡・升麻---これらを薬対にすると昇提作用が出る。トーヌスが低下し垂れ下がったものに使用する。

当帰---血が不足したり血の機能が低下すると局所に栄養や身体の材料が届かず冷えや修復・免疫能力の低下が起こる。血を増やし、機能を高め、巡らせ温める。補気のバックアップのために当帰が入っている。隠し味みたいなもの。

六君子湯は食べられることに重きを置いているので、食べられるようにすることに関してはパンチ力がある。