中医学 | 津液の代名詞として「陰」を使用し、「陰(=津液)」の「虚(=不足)」を意味する。 |
日本漢方 | 六病位弁証で病が進行した状態の「陰証」で、かつ「虚証」であることを意味する。 |
目に見えるエネルギーで無色のもの。
津液の作用:潤すこと+若干の栄養
水は熱を冷ます。
津液不足(陰虚)の諸症状
空咳、ほてり、口渇、多飲、胸焼け、悪心、便秘、手足煩熱、皮膚乾燥など。
生成不足 | 「脾」の失調 |
消費過多 | 熱または発汗過多 |
熱だけだと、熱そのもの(実熱)なのか、水が足りない(虚熱)のか分からない。
・精を蔵する
・発育・生殖を主る
・水を主る
・納気を主る
・発育・生殖を主る
・水を主る
・納気を主る
母親から生まれて来る時に精を受けて腎に蓄える。
生命力そのもの。
生命力そのもの。
腎虚の病態
腎虚=年相応よりも衰えていること
ヒトの一生(生命活動)は年齢相応に「炎」が小さくなっていく。
腎の滑動は薪で燃やした炎に例えられる。
腎陽 | 炎 |
腎陰 | 薪 |
腎陽虚は、縁側で日向ぼっこしているお婆ちゃんのイメージ。
年を取って自分で温める力が弱いので、太陽の力を借りて温まっている。
年を取って自分で温める力が弱いので、太陽の力を借りて温まっている。
子供に腎陽虚はあまり居ない。
腎陰虚(熱) | 腎のモノの不足 | のぼせ、ほてり、不眠、性欲の仮亢進、小児の発育不全、白髪、脱毛 | ←補陰薬/補陰剤 |
腎虚 | 生命力の低下 | ||
腎陽虚(寒) | 腎の働きの不足 | 冷え、嗜眠、頻尿、失禁、性欲減退、勃起不全、不妊、滑精、記憶力↓ | ←補陽薬/補陽剤 |
基原 | 薬能 | |
山茱萸(サンシュユ) | サンシュユの偽果の果肉 | 補肝腎陰、収斂固渋 |
麦門冬(バクモンドウ) | ジャノヒゲの根の膨大部 | 養陰潤肺、益胃生津(えついしょうしん?)、清心除煩 |
乾地黄(カンジオウ) | アカヤジオウの根 | 滋陰養血、生津止渇(しょうしんしかつ?)、清熱涼血 |
熟地黄(ジュクジオウ) | アカヤジオウの根を蒸したもの | 養血滋陰、補精 |
日本漢方には入ってないが、ドリンク剤などに入っているもの。
子供の発育不全に使うことが多い。
虚熱なので、あまり清熱薬は使わない。
虚熱なので、あまり清熱薬は使わない。
菊花 --- 眼の機能を良くする。
寒熱は特に関係なくなっている。
基本的に六味丸の適応と変わらないが、それに冷え(陽虚)が加わったもの。
牛車腎気丸の「牛車」は、構成生薬の「牛膝」「車前子」から来ており、平安時代の牛車(ぎっしゃ)とは全く関係がない。