CANADA'S WINDVIEW

趣味の写真を投稿していきます。昆虫好きな長男と一緒に昆虫を追いかけています。最初の年はセミやカマキリ、次の年はカブトムシ、トンボ、そして今年は…

第97回 蘇葉会 4

20110913火 晴れ 32⇔24 南3


西洋薬は一薬剤一薬理、生薬は一生薬多薬能。

生薬は組み合わせることによって薬能が変わってくる。例えば茯苓には利水・補気・安神の3つの薬能があるが、組み合わせる生薬によりどれが強調されるか違ってくる。

帰脾湯・加味帰脾湯は人参養栄湯に似ている。
帰脾湯・加味帰脾湯は済世全書(さいせいぜんしょ)(16世紀)で漢方的には比較的新薬。
人参養栄湯は和剤局方(12世紀)。

帰脾湯

酸棗仁・竜眼肉・遠志は安神薬だが補血薬でもある。
帰脾湯は、安神と補血の両方の薬能が発揮できるようにした。

神経を安らかにして「血」を増やす(安神・補血)酸棗仁・竜眼肉・遠志
「血」を補う(補血・活血)当帰
神経を安らかにする(安神)木香
元気になる、食べられるようにする(補気)黄耆・人参・甘草・白朮・茯苓・大棗・生姜


加味帰脾湯

加味帰脾湯には柴胡・山梔子が加わっている。

神経を安らかにして「血」を増やす(安神・補血)酸棗仁・竜眼肉・遠志
「血」を補う(補血・活血)当帰
「肝」の失調改善(疏肝)柴胡
神経を安らかにする(安神)山梔子・木香
元気になる、食べられるようにする(補気)黄耆・人参・甘草・白朮・茯苓・大棗・生姜

肝は情動を調節する。
「肝試し」というような言葉からも分かるように、西洋医学の肝臓とは違う。
肝が乱れると精神症状が出てしまう。


桂枝湯に始まる虚労の治療薬


傷寒論は桂枝湯に始まり桂枝湯に終わるが、説明は非常に難しい。

桂枝湯は気と血を補う。

桂枝は交感神経に、芍薬は副交感神経に働きかけると考えると理解しやすい。

抗病反応がうまく出せない防御能力が落ちた人に使う。

桂枝加芍薬湯は桂枝湯の芍薬が増量して芍薬優位にしている。副交感神経を優位にする。
ストレスがかかると痙攣を起こす。

桂枝加芍薬湯に膠飴を加えたものが小建中湯。膠飴は甘いので気を補う。副交感神経も優位にする。

小建中湯に黄耆を加えたものが黄耆建中湯。
皮膚が弱く元気がない。
古方派の先生は黄耆建中湯から行く。中医の先生は温清飲から行く。


八味丸が最初にできた。
地黄・山茱萸・山薬がアンチエイジング
沢瀉・茯苓・牡丹皮で出すものを出す。老化すると出せなくなり、老廃物が体に溜まってしまう。

この三補三瀉に桂皮・附子と言った温める薬が入っている。特に老化すると腎が冷えてくるので、腎を温めるのが桂皮・附子。

ただ、腎が冷えていない人には桂皮・附子を抜いた六味丸ができた。

八味丸に牛膝(補腎・活血)・車前子(利水)を加えたのが牛車腎気丸。牛車腎気丸は補うというよりは瀉す方が強い。

腎機能低下して浮腫を起こしているような時に五苓散よりも牛車腎気丸の方がよく効く。