要約
漢方医学には現代医学に無い様々な治療法を持っていますが、想像を超えて虚弱化した今日の日本人にとって殊に大切なのは裏寒の概念とその治療薬である温裏剤の活用です。
裏寒とは代謝低下、プレショック状態に近い状況を指しますが、一見、元気に見える人にもよく診るとプレショック状態と同じように代謝が低下し、隠れた裏寒に陥っている人が現実には極めて多いのです。裏寒が認められる時、他の一切の治療法は効果がはかばかしくないばかりか、場合により著しく病状を悪化させる可能性があります。現代における漢方治療は裏寒の治療を最優先する必要があります。
裏寒とは代謝低下、プレショック状態に近い状況を指しますが、一見、元気に見える人にもよく診るとプレショック状態と同じように代謝が低下し、隠れた裏寒に陥っている人が現実には極めて多いのです。裏寒が認められる時、他の一切の治療法は効果がはかばかしくないばかりか、場合により著しく病状を悪化させる可能性があります。現代における漢方治療は裏寒の治療を最優先する必要があります。
プレショックに近い状況・冷や汗・著しい体調不良
身体の中心を反映すると思われる部位が他と比較して冷たい
背中の肺兪(はいゆ)や心兪(しんゆ)の辺りの冷え・心下の冷え・臍下の冷え
身体の中心を反映すると思われる部位が他と比較して冷たい
背中の肺兪(はいゆ)や心兪(しんゆ)の辺りの冷え・心下の冷え・臍下の冷え
人参湯エキス顆粒 | 裏寒・下痢 |
真武湯エキス顆粒 | 裏寒・水毒(浮腫み) |
鼻は肺
真武湯証
逆にお風呂に入って悪化するのは熱で、治打撲一方・通導散など冷やす薬を使う。
浮腫んだ顔、青膨れ、目に力が無い、暖中・水落・臍下が冷えている
お風呂に入って温まると症状が良くなるのは寒。逆にお風呂に入って悪化するのは熱で、治打撲一方・通導散など冷やす薬を使う。
1. 発汗してストレス(病邪)を排除 | 解表剤(麻黄) | 葛根湯、麻黄湯 |
2. 下してストレス(病邪)を排出 | 清熱瀉下剤(大黄、黄連、芒硝、石膏) | 調胃承気湯、黄連解毒湯 |
3. 中和してストレス(病邪)を排除 | 柴胡剤(柴胡) | 小柴胡湯、大紫胡湯 |
4. 駆瘀血してストレス(病邪)を排除 | 駆瘀血剤(桃仁、牡丹皮、水蛭) | 桂枝茯苓丸、桃核承気湯 |
現代医学では、喘息発作自体を止めることは比較的簡単に出来るが喘息死は結構ある。どちらかと言うと喘息死を減らすには補ってあげる必要がある。
セリエのストレス学説を借りると裏寒の説明がしやすい。
太陽病 | 体表が冷えているが内部は温かい時。 | → 汗を出して治す |
太陰病 | 体の表面が冷えて、臍下も冷えてきている | → 体を温めながら発汗させる |
陽明病 | 体の中に熱が籠り過ぎている。裏熱実。 | → 大黄・黄連などで下痢させて治す |
少陽病 | 風邪を引いて3-4日経って口の中が苦い。半表半裏の熱。 |
少陽病は現代医学ではなかなか理解しにくいが、長年不定愁訴があった人が加味逍遥散を2週間飲んだら治まったというような経験的なものから、その存在が考えられる。