CANADA'S WINDVIEW

趣味の写真を投稿していきます。昆虫好きな長男と一緒に昆虫を追いかけています。最初の年はセミやカマキリ、次の年はカブトムシ、トンボ、そして今年は…

基礎からの漢方60分 第3回 2

20100311木 晴れ



構成生薬の効果がどんなものかということが書いてある本が少ない。

中医学の考え方を使うと割と理解しやすい。

体の外側の部分を「表」と言っている。

「邪」というのが体表部に入ってくる。

寒邪とは寒い邪で、これが入ってくると体は外に出そうとしてぶるぶる震える。
麻黄や葛根は表面に邪が居るのを追い出す。


半表半裏


半表半裏とは、もうちょっと風邪が進んで体が熱を持っている状態。表に熱い邪が居る状態。寒気はもうなくなっている。

麻黄湯、葛根湯は寒気のある時に使う。寒気がある時に銀翹散は使えない。
麻黄は温めて汗と一緒に邪を出す(辛温解表)。

逆に冷ましてどうやって邪を出す(辛涼解表)かという説明は難しい。


銀翹散


辛涼解表、発散風熱

連翹冷熱解毒
金銀花清熱解毒
薄荷発散風熱
牛蒡子発散風熱
羚羊角涼肝熄風
竹葉散熱、清心
甘草健脾、薬性調和
桔梗宣肺祛痰、排膿消腫
荊芥祛風解表


漢方薬の構成生薬の薬能を覚えよう!


解表薬解表剤麻黄湯類・桂枝湯類
解表薬+清熱薬和解剤柴胡剤・瀉心湯類
清熱薬清熱剤芩連剤・白虎湯類
瀉下薬瀉下剤承気湯類
温裏薬温裏剤建中湯類・附子剤
理気理気
活血化瘀薬活血化瘀剤駆瘀血剤
祛湿薬祛湿剤利水剤
補気補気参耆剤
補血補血四物湯類
補陰薬補陰剤・滋陰剤補腎

和解剤は対応していない。解表薬と清熱薬の両方を含んでいる。


五臓六腑は、現代医学の臓器とは全然違う。

肝は、漢方と西洋医学では、血液を貯めたり作ったりすると意味では共通だが、後は漢方独自の解釈となる。

肝と出てきたら、血液との関係、精神的なものとの関係がある。

心は、血液を巡らすという意味では西洋医学と同じだが、理性も主る。
肝よりも高次の神経機能を担う。

漢方に脳という臓器はない。


気血津液(水)弁証


人間の体の中に気血水が巡っていると考えられている。

出血した血液をしばらく放置した時に、血餅の方を血にして、血清の方を津液としたのかも知れない。


推動(すいどう)何かを動かす。目に見えない力で血液を動かさないと動かない。
温煦温めるのも気。
防御体表部で戦っているのも気。
固渋(こじゅう)
気化食べ物をエネルギーとして使うところ。


陰=津液
陽=気

例えば、腎陰、腎陽など。

正気病気に対する抵抗力・免疫機能
外邪風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪

邪が盛んな状態。参考書には結構違うことが書いてある。そもそも元気なら病気にならないわけだから。
正気が奪われた状態。

邪が体の奥に入ってきて熱が出てきた頃には麻黄は使えない。
もともと「表」と「裏」も曖昧だが、更に曖昧な「半表半裏」という概念を作ってしまった。
ちょっと病気が進行して体の奥に入りかけた状態。

辛温解表薬は、まだ邪が表面に入ってきたばかりの時。
体のちょっと奥に入ってきた邪は、ひょいっと外に出すことは難しいので和解する。この時、もう最初の悪寒はない。→ 往来寒熱

柴胡は温める作用も冷やす作用もない。

胸脇苦満は日本漢方の経験的なもの。

小柴胡湯の生姜は対症療法的なもの。メインは柴胡と黄芩。

燥湿化痰(そうしつけたん)。

脾は消化器系を指す。

大補元気(たいほげんき)。

個々の生薬の薬効を見ればだいたいどんな方剤か分かる。

温かい、寒いというのを半々で使っている。

小柴胡湯よりも柴胡桂枝湯は邪がちょっと上に描いてある。つまり小柴胡湯より表に近く少し軽い薬ということ。

花粉症で小青竜湯が盛んに使われるが、あまり使うと体が消耗するので柴胡桂枝湯と合わせて使うなりする。

大紫胡湯は攻撃する生薬が増える。大黄、枳実が入っている。

枳実は、気の巡りが滞っているのを破る(破気)。

熱を持っていない人に使うと副反応が出るかも知れず注意が必要。

慢性肝炎に効く理由は実際には分からない。なんとなく柴胡が肝と関係あるのかなというくらい。

漢方薬による薬剤性間質性肺炎

頻度は決して高くない
薬剤発現率
小柴胡湯0.004%
抗菌薬0.003%
インターフェロン0.1%
ゲフィチニブ(抗癌剤)5.8%

副作用として間質性肺炎が報告されている漢方処方


小柴胡湯、大紫胡湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、半夏瀉心湯、柴胡桂枝乾姜湯、補中益気湯、牛車腎気丸、清肺湯、辛夷清肺湯、清心蓮子飲、防風通聖散、小青竜


大紫胡湯は、ドラッグストアでは、女性において体脂肪を落とすと謳ってOTCで売られている。黄芩も入っており危ない。

肝気欝結(かんきうっけつ)
肝陽上亢(かんようじょうこう)

気というのは常に巡っていなければならないが、それが鬱滞して熱を持つ。
水は充満しているので実。

肝の陰(=水)が不足して熱を持つ。水が無くなった状態→熱を持つ。
これが肝の陰虚