CANADA'S WINDVIEW

趣味の写真を投稿していきます。昆虫好きな長男と一緒に昆虫を追いかけています。最初の年はセミやカマキリ、次の年はカブトムシ、トンボ、そして今年は…

名古屋臨床漢方セミナー 2

20100925土 晴れ 26⇔18 北4


防已黄耆湯 「漢方処方解説 矢數 道明 先生」

防已 5.0g、黄耆 5.0g、朮 3.0g、生姜 3.0g、大棗 3.0g、甘草 1.5g

色白で、筋肉柔らかく、水太りの体質で、疲れやすく、汗が多く、小便不利を訴える、主として女性の膝関節症をはじめとする諸疾患に用いる。
中年以降の有閑婦人で、太って疲れやすく、身体が重いという人に用いることが多い。脉は多くは浮弱である。


処方構成上、利水剤であるが補気剤を兼ねる。
気虚に対する治療薬であり、膝関節症ばかりでなく、風邪薬、咳止め、皮膚疾患の薬、自律神経失調症の薬など多岐にわたる疾患に応用できる。
排尿回数が少なく、排尿時の勢いがないのを目標に加えている。
防已黄耆湯単独ばかりでなく、附子を加えたり、真武湯や桂枝加朮附湯などと合方したりして用いる機会が多い。

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肺が弱ると大腸の働きも弱る。
黄耆が入っているので、補気剤としても使う。
水毒なので冷えもあり、真武湯、桂枝加朮附湯、八味丸少量など合方することが多い。
脉は虚していることが多い。

水毒水太り、排尿回数が少ない
気虚舌歯痕、舌質淡白、右寸脈弱い、汗かき、疲れ易い

主治


金匱要略「痙湿渇病門」「風湿、脉浮、身重く、汗出て悪風する者は防已黄耆湯之を主る」
勿誤方函口訣「この方は風湿表虚の者を治す。故に自汗久しく止まず、皮表常に湿気ある者に用いて効あり。」

応用


体表に水毒があり、しかも表が虚し、下肢の気血めぐらざるものに用いる。
1. 感冒後の皮膚のしまりが悪く、熱が去らず、悪風があって自汗が止まらず、頭痛、身体疼痛し、小便不利のもの
2. 腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫
3. 癰、金塩、下肢骨カリエス、膝や足の関節炎・潰瘍・浮腫
4. 肥満症で筋肉柔らかく、水太りのもの
5. 皮膚炎、蕁麻疹、多汗症、わきが
6. 冷え症、気鬱、月経不順
7. 変形性膝関節症

用法


防已黄耆湯
防已黄耆湯+附子末
防已黄耆湯+真武湯
防已黄耆湯+桂枝加朮附湯
防已黄耆湯+八味丸

(整形外科の先生)

整形外科的には、防已黄耆湯に桂枝加朮附湯を合方すると確率が高い。
水毒には冷えがあることが多く、附子との相性は非常に良い。

慢性関節リウマチで、入浴して痛みが取れるような方は、桂枝加朮附湯を合方すると、漢方だけでコントロールできることもある。
瘀血があれば、疎経活血湯を合方することもある。

慢性関節リウマチなどは、清熱剤よりも温補剤の方が効く印象がある。

胃腸は弱いが前立腺肥大がある人には六君子湯にウチダ八味丸1錠だけでも効く。
ウチダ八味丸は20錠でツムラ八味地黄丸7.5g(一日分)に相当する。


症例



化粧水は結構防腐剤など多く含まれている。
日焼け止めも塗らないようにする。